なぜ外資系の投資銀行、コンサルは日系の商社、広告代理店より給料が高いのか?

一般的に外資系企業は日系企業よりも給料が高いです。一般的な理由は下記かと思います。

  1. 成果主義で能力の低い人はクビになるから
  2. 年功序列概念が無いので、若い人も能力次第で高給取りになれるから
  3. 無駄が嫌いで、成果に繋がらないことはしないから

私も日系と外資を両方経験してみて、上記理由は納得しています。

しかし、今回はこういう分かりやすいミクロ視点では無く、社会を俯瞰したマクロ視点でタイトルの問いに答えてみます!

なお、今回は外資系の中でも特に給料の高い外資系投資銀行(外銀)と外資系コンサルティングファーム(外コン)、それに日系の中では給料の高い商社や広告代理店を比較対象としてまとめてみました。

マクロ視点での私の

「なぜ外銀と外コンは商社や広告代理店よりも給料が高いのか?」

の結論は

「資本主義社会の上流の仕事をサポートすることを生業としているから」

です!

分かりにくいですね。笑 マクロな話は分かりにくくなりがち・・・順を追って説明します。

外銀、外コン

 

 外銀は投資家のサポートをしていて、外コンは経営者のサポートをしているから

マルクスの資本論はご存知でしょうか?

端的に言うと、資本主義社会(今の世界)は

資本家>投資家>経営者>労働者(サラリーマン)

の順に富を得やすい構造になっている。というお話です。

資本論

私はこの考えを知ってから社会を見る目が180度変わったので、知らない人は下の漫画でささっと読んでみてはいかがでしょう?

さて、外銀とはゴールドマン・サックスやメリルリンチ、外コンとはマッキンゼーやボスコンを指しているのですがこれらの業務内容をご存知でしょうか?

超端的に言うと下記です。

  • 外銀 :投資家に助言している
  • 外コン:経営者に助言している

超端的に言いました。笑

繰り返しになりますが、今僕たちが生きている資本主義社会の冨は下記の順に分配されやすい仕組みになっています。

資本家>投資家>経営者>労働者(サラリーマン)

外銀や外コンの人は労働者(サラリーマン)ではあるものの、労働者よりも上の階級の投資家、経営者のサポートを生業にしているので必然的に流れ込んでいるお金が多くなるのです。

その証拠に、外銀の卒業生は個人投資家になったりファンドを立ち上げる人が多く、外コンの卒業生は起業するかベンチャーの役員になる人が多いです。

ずーっとサポートしていたので、いざ投資家や経営者になろう!と思ったら簡単になれちゃうってことですね!

なお

投資家>経営者

なので外銀の方が外コンよりもさらに給料が良いのですね!

ちなみに労働者をサポートしているのが商社や広告代理店、あとは日系のコンサルティングファームです。彼らの仕事内容をよく聞いてみると、他の会社の現場の課題解決を担っていることが分かると思います。

 

コンサル

 

ではなぜ投資家や経営者はサポートを欲しているのでしょうか?今回は投資家や経営者をまとめて”企業”と表現して話を進めてみます!

 

企業が外銀のサポートを欲する理由、それは日系企業には資金調達をグローバルで行うノウハウが無いから

上で外銀の仕事は投資家に対する助言だ!と言いましたが、もう少し踏み込むと企業の資金調達やM&Aの助言をしています。

ベンチャー企業の小規模のそれとは違い、大企業だと資金調達やM&Aも国内では留まりません。しかいいくら日系の大企業でもグローバルでの資金調達やM&Aなんて数年に一回あるかないか、当然社内にノウハウなんてありません。

故に外銀の助言を頼りにするのです。

一方でベンチャー企業が行う小規模な資金調達やM&Aは、国内の個人投資家から資金を募ったり同じベンチャー企業をM&Aする程度の規模感。よって外銀なんて必要無いんです。

よって外銀は常にお金がある大企業の助言をするポジションでいられるのです!

外銀

企業が外コンのサポートを欲する理由、それは大企業には数人の0→1人材と大量の10→100人材はいるが1→10人材がいないから

まず初めに言葉の定義から。

  • 0→1人材とは、達成力があり、一人でも何かをやり切ることが出来る人材を指します。彼らは学生時代にいじめを受けやすい傾向にあります。しかし将来は得てして起業します。いわゆる天才型の人ですね。
  • 1→10人材とは、頭がよくアイデアや課題を分析して論理的に構造分解することが出来る人材を指します。彼らは学生時代の成績が良いです。社会に出てからもエリート街道まっしぐらです。いわゆる秀才型の人ですね。
  • 10→100人材とは、競争心が強く、流行に敏感です。彼らは学生時代にリレーの選手になるために陰で努力するか、ヤンキーになって謎の派閥争いを繰り広げます。社会で最も母数が多い人材です。いわゆる凡人型の人ですね。

この区分は下記書籍を参考にしています。特に「自分は0→1だ!1→10だ!」って思っている人には一読の価値があるかと。

 

 言葉の定義通り、0→1人材は起業して企業のトップになることが多いです。「なんとかなる!」という根拠の無い自信をエネルギーにして猪突猛進になれるからです。

そして0→1の人が結果を出し始めると10→100の人材が群がります。母数が多い上に流行に敏感なので「あの企業が今イケてるらしい!」と周りが言い始めればその企業に皆で流れ込むからです。就職人気ランキングを気にしたり、ベンチャーに入ることこそイケていることだ!って思っている人達ですね。

結果、企業には1→10の人材が欠落してしまいます。

なぜなら1→10の人材は頭が良いため将来のリスクが予想出来てしまう、よって起業なんていう高リスクな手段は好まない。また仮想通貨が流行った後に仮想通貨に手を出すような流れに飲まれて損をすることもしません、つまり知名度が高いだけの企業に入って誰でも出来る仕事はせず、自信の専門性を高めて自分の時間単価を上げれる仕事をします。頭が良いので。

 

秀才

しかし企業には天才(0→1の人材)と凡人(10→100の人材)をつなげる秀才である1→10の人材が不可欠です。なぜなら凡人には天才の言っていることが理解出来ないし、天才は凡人が何故理解出来ないのか理解出来ないので。結論、翻訳係(1→10の人材)が必要なのです。

そこで企業は1→10を労働者とは別に高単価でレンタルするのです。これがコンサルタントに当たるのです!

ちなみに一口にコンサルタントと言っても総合系や会計系コンサルは労働者の代替です。要は10→100の能力が高い人達です。戦略系が上記の1→10人材に当たります。

 

外コン

 

結論

「なぜ外銀と外コンは商社や広告代理店よりも給料が高いのか?」

の結論は

「資本主義社会の上流の仕事をサポートすることを生業としているから」

です!

 外銀は投資家の、外コンは経営者のサポートをしているから流れ込むお金が多い→給料が高いのです。

 

今回はマクロな視点で記事を書いてみましたが、マクロな視点を持てると「将来投資家になりたいから、一回外銀に入って投資を学ぼう!」といった将来設計が可能になります。

変化の速く答えの無い令和時代だからこそ、マクロな視点を持って将来を考えることの重要性も増してきたんじゃないかな~と個人的には思っているので、この記事を書いてみました!